前庭性偏頭痛（VM）は、繰り返されるめまいを引き起こす一般的な病態で、多くの人々の日常生活に影響を与えています。従来、この状態は偏頭痛の予防治療によって管理されてきましたが、最近の研究は非処方療法がVMに与える影響を探ることで、この分野に新たな光を当てています。

研究の背景

偏頭痛は世界中で多くの人々を悩ませている状態で、特に前庭性偏頭痛はめまいを伴うため、患者の生活の質に大きく影響を及ぼします。従来の治療法では一定の効果があるものの、全ての患者に適しているわけではありません。このため、代替療法に対する関心が高まっています。

研究の目的と方法

この研究は、非処方療法がVMの症状にどのように影響するかを調査することを目的としました。2019年11月から2021年8月まで、シドニーの2つの三次教育クリニックでVMと診断された患者を対象に、前向きのアンケートベース評価を実施しました。

患者には睡眠、水分摂取、運動、栄養の最適化に関するアドバイスが提供され、リボフラビン、マグネシウム、コエンザイムQ10、フィーバーフューを含む市販の組み合わせ製品の使用が指示されました。治療開始前と3ヶ月後に、めまい障害インベントリ（DHI）、めまい症状スコア短縮形（VSS-sf）、重症度および頻度に関する2つの視覚アナログスケール（VAS-sとVAS-f）を用いて症状の変化を評価しました。

研究結果

82人の参加者（78%が女性、平均年齢44±14歳）において、DHI、VSS-sf、VAS-s、VAS-fのスコアはそれぞれ44.1%、44.9%、44.1%、38.9%の改善を示しました。また、半数以上の患者が症状の改善を報告し、サプリメントは良好に耐容されました。

結論と今後の展望

この研究は、非処方療法が前庭性偏頭痛の頻度と重症度を減少させる可能性を示唆しています。これはVMの管理において、新しい治療法の可能性を開くものであり、患者の生活の質向上に貢献する可能性があります。今後はさらなる広範な研究が必要ですが、この研究はVM治療の新たな道を切り開く重要な一歩です。患者と医療提供者は、従来の治療法と併用して、この新しいアプローチを検討する価値があるでしょう。

参考文献:

Intern Med J 2024 Jan 10.

他の文献紹介:

頚椎性頭痛治療における新たな可能性：圧力バイオフィードバックと手技療法の比較研究