『腰部から左大腿後面にかけて痛みを発する腰痛に関する症例検討』

  • 2023.10.27
  • ∵ 整体

病歴

63歳の男性。大手企業の管理職として勤務しており、5ヶ月前から腰と左大腿部後面から下肢にかけての重度の痛みを感じている。スポーツが好きで、定期的に運動を行っている。X線検査で、椎間板の変性に伴う狭窄が確認されている。手術治療を希望していたが、まずは保存療法を試したいとのこと。

腰痛の状態

立っている時や歩く時に痛みが出る。痛みの強さは主観的評価で10点満点で6〜7点。痛くても無理に強要しては歩いてしまう。痛みは左の鼠径部から大腿の後ろにかけて伝わり、下肢の後ろ側外側にも感じられる。座っている時は痛みが10点中2〜3点に軽減する。横になっていても痛みがあるが、横向きになるのが一番楽な姿勢とのこと。

運動分析

前屈すると痛みが和らぐが、前屈位から上体を起こすときに腰痛の症状は強まる。この動作時、背骨の伸展の度合いが股関節よりも大きい。クライアントは治療台に手をつき、上半身が前に曲がらないように高さを適切に調節し、前屈とその後の直立動作を実施する。この動作時に、股関節を腰よりも先に伸ばすよう指示される。その指示通りの動きをすると、痛みが和らぐ。

側屈:左向きに側屈すると痛みが強くなり、これは腰仙部で発生している。右向きに側屈すると痛みは和らぐが、大きく側屈することは難しい。胸椎部での側屈時に腰部は直立したままである。

回旋:脊柱の回旋を指示されると、右方向への回旋の範囲は左方向よりも広い。

片脚立位:左足だけで立つと、左の股関節が内向きになり、少しの痛みが増してくる。右足だけで立つ時、左の股関節が屈曲し、右方向への腰の傾きが明らかになる。

筋の長さの検査:左右の大腿筋膜張筋や大腿直筋は収縮しており、結果として骨盤が前に傾いている。

姿勢の影響:股関節と膝関節が伸ばされている状態での耐えられない痛みがある。また、左の膝を胸に引き寄せた状態で(股関節の屈曲が100°)右の股関節を伸ばすと、痛みが出る。左の股関節の屈伸時には、タオルを使って膝を引きながら行わなければならない。

他の検査:股関節の外向きの動きや回旋は症状を悪化させる。特に左側が右側よりも顕著である。

筋力の検査:腹筋の筋力は、股関節の自動的な屈曲に伴う痛みのために検査ができない。

追加検査の姿勢:①側臥位②腹臥位③四つん這い④座位

側臥位:左側の側臥位の方が右側よりも快適である。中殿筋の筋力は左が3+/5、右が4+/5で、股関節の外旋動作時に腰と骨盤が回旋する。

腹臥位:腹臥位は症状を悪化させるが、枕を使うと和らぐ。膝を曲げると痛みが増し、左の股関節が屈曲すると骨盆が前に傾き、回旋する。

四つん這い:この姿勢では腰の右側の回旋が顕著で、症状は軽減する。動きを加えると、骨盆が右側に高くなる。

座位:背もたれにもたれて座ると、症状はほとんどない。膝を伸ばしても痛みは増えないが、右のハムストリングスは短縮している。

筋の長さと筋力

筋の長さや筋力を検査すると、大腿筋膜張筋や大腿四頭筋は収縮しており、腹筋は骨盤の動きをコントロールできない。ハムストリングスは短縮しているが、痛みの原因ではない。大殿筋は固い。

腰痛の状態の考察:

クライアントはアライメントと運動の際に回旋と伸展の不具合が確認された。座っている時や股関節を屈曲した状態、または手を膝に乗せる動作により、症状は緩和される傾向にある。このことから、クライアントの腰部をより平坦に維持することで症状の改善が見込める。特に、伸展の位置調整や伸展方向の動きを行うことで、彼の症状は一層顕著になる。最終的に、クライアントは腰椎の回旋-伸展の症状を持つと考えられる。

施術内容

詳細は以下を参照することを勧めます。

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