サッカーは高い身体的要求が伴い、特に全米大学体育協会(NCAA)の選手にとっては、怪我のリスクが常に存在します。この記事では、NCAAサッカー選手における性別ごとの股関節の強さの違いと怪我のパターンの相関に焦点を当てた研究について紹介します。
研究の背景には、NCAAのサッカー選手の中で男性は股関節や鼠径部の筋肉損傷が、女性は膝の靭帯損傷が多いという事実があります。これらの筋肉群の不均衡は、怪我のリスクを高める要因とされています。
研究の目的は、性別による股関節と太ももの筋力の違いを評価し、怪我のパターンとの関連を調べることでした。手持ち型ダイナモメーターを用いて、股関節の外転筋、内転筋、屈筋、伸筋、および膝の屈筋、伸筋の等尺性強度を測定し、筋力比を計算しました。
参加者はNCAAディビジョンIIIの機関からの36人の選手(男女各18人)でした。
主な結果として、性別間での体重に正規化された筋力と拮抗筋の筋力比の違いが明らかになりました。特に女性選手は、男性選手と比較して股関節の外転筋と伸筋の強さが低下しており、股関節屈筋と伸筋の比率に有意な差が見られました。
研究の結論として、NCAAの男女サッカー選手は、それぞれの怪我のパターンに合わせた股関節の強さのプロファイルを持っていることが示されました。男性は股関節屈筋と内転筋の筋力不足が見られ、女性は股関節の外転筋と伸筋の筋力不足が認められました。これらの筋肉の差異は、膝の怪我のリスクと関連しており、将来の怪我予防プログラムに影響を与えることが期待されます。
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