肩の痛みは一般的な健康問題であり、特に肩甲下痛症候群（SAPS）は多くの患者に影響を与えます。最近のシステマティックレビューとメタ分析では、SAPSの管理において、従来のコルチコステロイド注射と比較して運動と手技療法（EMT）の有効性が検討されました。

研究の方法と対象

この研究では、PubMed、CINAHL、PEDro、ScienceDirect、コクラン図書館、およびグレー文献データベースから得られたデータが分析されました。対象となったのは、EMTの有効性を評価するランダム化比較試験のみで、方法論的質はPEDroスコアで評価され、証拠の確実性はGRADEアプローチで評価されました。

主な結果

分析には、合計946人の患者を含む8つの試験が含まれています。重要な発見は、EMTが非常に短期的から長期的な追跡期間にわたって、コルチコステロイド注射と比較して患者の障害に差をもたらさなかったことです。また、痛みの評価や自己申告された回復においても、両治療間に顕著な差は見られませんでした。中期的な追跡では、EMTにコルチコステロイド注射を追加することは、EMT単独やコルチコステロイド注射単独と比較して肩の障害においてより良い結果をもたらしませんでした。

結論

この研究により、EMTはすべての追跡期間においてSAPS患者の成果を改善する上でコルチコステロイド注射と同様の効果があることが示されました。また、両方の介入の組み合わせは、各介入単独と比較して治療成果を変えることはないという、低い確実性の証拠があります。この発見は、SAPSの治療方法に新たな視点をもたらし、患者にとってより多様な選択肢を提供する可能性があります。今後の研究では、さらに詳細な分析が必要ですが、これらの結果は治療の方向性を示唆しています。

 

参考文献:Cureus 2023 Nov; 15(11)

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